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布良の大山(138m)

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 「大山」といえば落語の『大山詣り』、あるいは『大山講』として江戸時代から盛んに登られた神奈川県の相模大山と鳥取県の名峰、伯耆大山が有名だ。しかし、千葉県にも大山と呼ばれる山がある。

 房総半島の西南端、館山市の坂田にあるため、「坂田(ばんだ)の大山」ともいわれる「房の大山」(193メートル)。鴨川市街地から長狭街道を西に向かい、鋸南町との境に近い大山千枚田の近くにそびえる「長狭の大山」(218メートル)。奥まっているため市街地からは見えない江戸道が通る「伊藤大山」(245メートル)がそれらの山だが、じつはもう一つ、大山があった。名画「海の幸」を描いた画家青木繁ゆかりの地、館山市の「布良の大山」(138メートル)だ。

 JR館山駅から神戸回りの安房白浜行きバスで安房神社下車。隣りの館山野鳥の森のハイキングコースをたどり、約1時間半の天神山(147㍍)を目指す。富士見展望台や平砂浦展望台などがあり、それぞれ変化があって富士山や伊豆大島、伊豆半島、そして太平洋に弓なりになった平砂浦の眺めは素晴らしい。

 天神山から先は、野鳥の森の範囲を越えるが、赤テープを目印に歩く。地図を読める人との同行が望ましい。アンテナが立つ山頂は海上保安庁の送信施設があり立ち入りはできないが、途中からの眺めは「いいなあー」の一言に尽きる。 (記・三木 雄三)