和紙の温度を感じて

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 平成24年6月3日(日)、市原市鶴舞公園前の「更級美術館」に「星かづを和紙絵展」をたずねる。

 かづを先生の展覧会は常に満員で、懇親会のように和気あいあいとしていて、遅参した私も、鏡子奥様と遠山あき先生の笑顔に迎えられると、たちまち雰囲気に包まれる。展覧会にはかづを先生のメッセージがある。

 「私の和紙絵を見てくれたら、和紙の温度を感じてほしい」

 作品となって上昇した和紙の温度を感じてほしい、けだし名言である。

 今回の和紙絵展は、アンコールに応える名作「源氏物語」「白川郷」「舞鶴」などに、新作13点が加わったコンビネーション展で、ファンばかりか新来者にも大受けだった。

 新作の「富士」は、トップを切って赤丸を付け、売約済みだった。裾野からの鈍い紺色、緑色が富士の台座となり、上部の緑樹には薄雲が戯れるようにまとわりついている。

 頭部には帯状の雲がたなびき、一部に暗紫色の変化が見られるのは、背景の夕焼けによる射光か。

 華やかな富士の名画が多い中、星かづを作品「和紙絵富士」は、孤影にひっそりと静まりつ、和紙絵の温度感をかもしていた。......