ロケ地でタケノコ随想

 市原ケーブルテレビのドラマ撮影で、鶴舞公民館に来ている。庭前の横手に建つ「伏谷如水と清水次郎長の碑」をポイントに、設立当時の代表・小出善三郎元市原市長から、平成13年2月23日の除幕式の様子などを拝聴する予定の待ち合わせだったが、私は午前10時から待機していた。

 そこへライトバンが入って来る。少し早いがテレビ局のスタッフだと思い、近寄って声をかけると、作業服の男性が3人ばかり出て来て、愛想よくあいさつをする。

「ここにカメラとレフ(反射板)をセッティングしたらどうだろう」

「はあ?…」

 会話がかみ合わないと思ったら、どうやらこちらの誤解だったらしい。

「保健所の車じゃないですか。水や土壌や農作物の検査に来たんでしょう」

「放射能の検査ですか?」

「そうそう、いま問題になっているタケノコの放射能かもしれませんよ」

 公民館に用事があるらしい地元民の発言。

 そういえば、私の中学校時代の恩師・古関しづ先生も、その種の事情を話されていた。

「竹やぶの多い鶴舞近郷では、タケノコは季節の恵みだったんだけれど、今年は放射能の恐怖におびえて、食べる気がしないらしいよ。だもんで、その分、イノシシが食い荒らしているそうだわ」

 なるほど、新聞にもその種の記事が出ていた。最近、イノシシによる農作物被害が甚大で、対策が検討されている、といった内容のものだった。

 イノシシ問題は置くとして、タケノコ問題が気にかかる。タケノコの有名産地といえば大多喜町で、私もハイキング気分で買いに行き、品物を見て「さすがぁ!」と思った体験がある。その大多喜町産のタケノコは大丈夫だったが、市原市では出荷制限がかかったままで残念でならない。

 ここで、タケノコ随想から覚めて本番。平成13年当時の小出元市長からお話を聞く。......


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