鏡子先生の決断

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 第27回平和園「手づくりコンサート」に、今年は行けないと思い、失礼するはずだった。

 コンサート当日の日曜日には、差し迫った用事などなかったが、翌日の月曜日に、重荷があった。病院の診療である。朝から血液検査、レントゲン、心電図など、盛り沢山だった。

 それでも当日になると、やはり会場の市原市民会館小ホールに足が向いた。ずっと見守ってきたという思いもあったが、今回で星鏡子先生が引退すると聞いたからだ。

 星一男園長先生と、奥様の鏡子先生は、手づくり施設として親しまれる、市原市島野の児童養護施設・平和園のご両親の立場で、つまり親と離れた子どもたちのお父さん、お母さんということになる。

 情操教育の一環となる年1回の「手づくりコンサート」は、子どもたちのけなげさと、チームワークと、だんだんと身に付く実力とで評判になり、マスコミにも乗った。

 昭和58年9月18日、フジテレビの「オールスタ-家族対抗歌合戦」に出演し、それを契機に、平和園「手づくりコンサート」の路線が敷かれる。

 平成元年10月14日、NHKの「モーニングワイド」が練習風景を紹介。

 平成3年11月12日、日本テレビ「ニュース・プラスI」特集コーナーでコンサート風景を放映。

 さらに「いちはらネットワークテレビ」や「千葉テレビ」も、中継に一段と力を入れるようになった。

 同時に子どもたちの目が輝くようになった。実はこの「子どもの目の輝き」こそが、星一男園長先生と鏡子先生、そしてスタッフ先生方の宿願だった。・・・