トゲトゲ魔物画展

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 優等生は青く光り、劣等生は黄色く光り、つまり優等生も劣等生も、色は違えど光っているのだという教え、たしかNHK教育テレビ「あみだ経の極楽世界」で聞いた記憶がある。

 そしてふと、正体の判然としない画家・藤田和子氏を想起した。藤田氏は青く光ったり、黄色く光ったりする作品を提供していて、それに連れて意気軒昂(けんこう)になったり、泣きべそをかいたりしている。

 同じく教育テレビ「日曜美術館」では、リアルを超越するリアルを学ぶ。

 同一画面に複数の顔がある場合、一方から写真撮影するように描くリアルが自然だが、セザンヌ(対象を再構成するフランス画家)の描出するリアルは、バランスとしてのリアルではなく、顔の表情を、画家の意図する角度で部分的に再構成し、鼻がねじれたり、口がゆがんだりする、つまりアンバランスのリアル、デフォルメのリアルということらしい。

 ここでまた藤田和子氏に思いを馳(は)せる。前期個展作品『風わたる日』は、シュールレアリスムの手法で、風の流れのリアリティーをとらえ、自意識の角度で顔を部分的に強調したセザンヌのリアリティーに同調するように思った。

 腹の底まで善人といわれる藤田氏が、後期展作品では「トゲトゲ魔物」を主題とした。・・・