アナログの命日

 よく映るアナログテレビを見ていたら、画面の左下に、かなり映像を妨害して数字が出てきた。あと23日と、はばかることなしのクローズアップ。

 次の日はあと22日、また次の日はあと21日、毎日1日分ずつ数字が減っていく。つまり、この数字が0(ゼロ)になったとき、いま見ているアナログテレビは見られなくなりますよ、という通告である。通告というより脅しか。

 なお脅迫はエスカレートし、平成23年7月24日の命日には、あなたのアナログはこうなります、という悪魔の声音とともに、灰色の雲気が画面を覆う。

 これも地デジ推進CMということだったらしいが、アナログテレビの視聴者にとっては、ただのいやがらせにすぎない。

 実は私は、アナログの命数が尽きたら、いったんテレビから離れようと思っていた。そして自分に課せられた急務を果たそうと考えていた。

 私の徒然草(つれづれぐさ)シリーズ第三集が企画されて1年を経た。深沢幸雄先生には表紙画のご提供に加え、本のタイトル「オレ、あけぼの」の命名もお願いした。それから1年の余、お待たせのしっぱなしである。

 千葉日報出版局にも、自分で呆れるほど迷惑のかけっぱなしである。早くに初校(しょこう)が出ていても、私が校正(こうせい)に打ち込まないので、すんなりとは再校(さいこう)に進めない。

 弁明としては、病院通いにつかまっている事情などが挙げられるが、その割には野球・時代物・刑事物ドラマをよく見ているので、その分のロスタイムをビジネスに振り向ければいいわけだ。よし、このさいテレビから離れよう。...


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