「か細い神経」救済

 私の神経の細さには接頭語「か」が付く。

 海兵病院の心電図の先生から、脈が遅く、乱れていると言われ、循環器科の担当医先生には、このままではワーファリン(常備薬)も効かなくなり、そうなれば、いきなり倒れ込むという状況もある、と(やさしく)脅された。「その時は、ペースメーカーも覚悟しますが……」

 とお伝えしたつもりだったが、語尾があやふやだったようだ。

 そして先生は、倒れたら否応(いやおう)なしにぺースメーカーになると断言されたが、倒れ方によっては、手術が間に合わなくなるケースもある、というニュアンス含みだった。

 つまり、人知れず倒れたら、通報者もなく、はい、それまでよ、ということにもなりうる。

 ペースメーカー手術は怖いどころか、健康体に戻って、テニスだって、ジョギングだってできるという。ハンデは携帯電話が持てないこと、携帯持参の人に近寄れないこと、つまり、現代のIT時代には身の置き所がないということ。

 埋め込んだ装置は、5年目ごとに交換するそうで、そんな事情もわずらわしいと思ったら、知人が、おたくの場合は、取り替える心配がないだろうという。寿命の計算らしい。

 帰宅して、遅れっぱなしだった新刊本「オレ、あけぼの」(命題は深沢幸雄先生による)の編集にかかるが、ゲラ刷りを前にしても、つい脅された病状に思いがいく。...


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