前夜祭コンサート

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 ベイサイドジャズの「前夜祭コンサート」に、思いがけなく吉成庸子さんのお誘いを受けた。

 そのことを主催者側の大原保人さんと美保子さんに伝えると、お二人とも喜んでくれたので、私は病院通い中の体調をととのえることにした。

 吉成さんは開演前に食事をしていこうと、ツインビル17階の「四川料理店」に席を取り、先着してこちらを待っていてくれた。

 吉成庸子さんが、同席の京葉銀行OBのお二人を紹介してくれると、お二人は私のエッセーを読んだことも、歌やトークを聞いたこともあると言ってくれて、おかげで、老いてなお人見知りをする私も、すっかりくつろいだ気分にさせてもらった。

 体調を気遣われながらもビールと紹興酒をもらい、不相応な「ふかひれ」に緊張しつつ箸(はし)をつけた。

 食後、向かいのツインビル2号館3階に着くと、6時30分の開演前だった。前方中央の指定席に腰をおろすと、ベルが鳴った。

 大原保人バンマスからきっかけのサインが出て、カルテットの軽快なプレーがスタートする。華やかでいて、やがて耳も心もなごむ演奏だった。

 いつの間にか、ゲストの弘田三枝子がくるくると、マリオネットのように舞い、歌っていた。

 ふっくりした少女顔からイメチェンして、ほっそりした妖精のウエストで舞い、ボーカルも、固有の声帯のテクニックを披露し、ユーモラスであり、リズムカルであり、楽しかった。

 1969年の第11回日本レコード大賞歌唱賞を受賞した『人形の家』も、ジャズナンバーにはさんで歌ったが、いまはポピュラーよりもジャズボーカルが本筋のようだ。・・・