マイナンバー利点強調 「正しい知識で理解を」 富士通総研主席研究員榎並氏が講演 千葉政経懇8月例会

千葉政経懇話会8月例会で講演する榎並利博氏=6日午後、千葉市内のホテル

 千葉政経懇話会8月例会は6日、千葉市中央区の三井ガーデンホテル千葉で開かれ、富士通総研経済研究所の榎並利博主席研究員が「マイナンバーの本質とその可能性」と題し講演した。

 ワタナベさんの「邊」や、サイトウさんの「齋」。いわゆる『外字』の点ひとつ違うだけでも、本人の特定ができなくなるのが行政の世界。ここに「マイナンバー制度を導入する本質がある」という。

 来年1月から利用が始まる同制度。榎並氏は「正確な本人特定により、これまでの制度を根底から覆し、あるべき姿を実現できる」と述べ、社会の基盤となると強調する。

 具体例では、各自治体が分散管理する戸籍を一つのデータベースで管理すればコストが低減できたり、医療は電子カルテの共有化や健康診断記録の結合で誤った処置を無くせる-と指摘。

 さらに税制度では、確定申告用データを電子的に税務署に集約することで医療費還付手続きを忘れることもなくなり、企業側には年末調整事務が不要になる、とその利点を並べる。

 とはいえ、制度に対する国民の不安は根強く、内閣府調査では「一元管理で国に監視される」「情報漏えいでプライバシーが侵害される」など約8割が懸念を抱く。

 こうした声に榎並氏は「情報は従来通り分散管理。特定個人情報保護委員会が立ち入り調査や命令・勧告を行う」などと説明。不正利用の罰則が最大4年の懲役、200万円以下の罰金であることから「不正利用のメリットはまず、ない」と断言した。

 それでも今後の課題やトラブルも予想される。企業には「社員研修や安全管理措置は年内に終えて」と指南。国民に向けては「正しい知識で理解されることが必要」と訴えた。