千葉少年鑑別所が、青少年の非行防止や健全育成の方策を関係者と一緒に考えていこうと「立ち直り支援研修会」を始めた。第1回には非行少年の更生支援活動を続ける牧師の野田詠氏さん(49)が登壇。自らの非行の過去に触れるとともに、こうした少年少女の自立支援では、彼らの問題に「共に向き合うこと」が重要だと訴えた。今も起こる少年事件。“元不良”の牧師が歩んだ人生体験に迫り、少年鑑別所の役割や現状、職員が心がけていることも取材した。
(宮嶋優)
野田さんは大阪府東大阪市でNPO法人「チェンジングライフ」の代表として、何らかの理由で頼れる大人や住まいを失った青少年に一時的に衣食住を提供するなどして、彼らの自立を支援する活動に取り組んでおり、これまで約350人の青少年の支援に携わってきた。
野田さんによると、チェンジングライフを訪ねる少年や若者は皆複雑な事情を抱えている。親から身体的虐待を受けていたり、窃盗や傷害の罪を犯して少年院などの施設から出たばかりだったり。支援対応中に連絡が取れなくなるケースがあるのも現実だが、多くは自分の家族など大切な存在に気付き、社会へ復帰できているという。
◆気持ちに変化
野田さん自身はかつて、複雑な家族関係から「母にとって、自分は価値がない存在」と思ったことで、中学生の頃から非行に走るようになった。窃盗や覚醒剤にも手を染め、16歳から ・・・
【残り 1393文字】
閲覧するには、ライト無制限プラン または 千葉日報とのダブルプラン または トータルプラン にプラン変更して下さい





