お空の子に思いを寄せ 「天使の日」に船橋でマルシェ 我が子亡くした家族らのイベント

イベントを開催するメンバー=船橋市の上行寺船橋別院
イベントを開催するメンバー=船橋市の上行寺船橋別院

 10月4日は語呂合わせで「天使の日」とされている。これに合わせ、我が子を亡くした家族らのためのイベント「天使の日 こころのマルシェ」が同日、船橋市栄町の上行寺船橋別院で開かれる。主催する「東葛地域 天使ママの会」代表の住吉育代さん(47)も、生後8カ月の娘を亡くした経験があり、「”お空の子”を思ってくれる人なら誰でも参加できる。同じ空間で過ごし、一緒に思いをはせられる場になれば」と話す。

 住吉さんは娘に合う仏具が見つからなかった経験から子ども用仏具を制作し、ガラス仏具店「Bee-S(ビース)」(船橋市南本町)を2010年に創業。幼くして亡くなった子や赤ちゃんのため、小さな骨つぼや仏具を製造・販売してきた。さらに、子どもを亡くした親が安心して気持ちを共有できる「分かち合いの会」なども開いてきた。

 一方で参加するための予約が「ハードルになる」とも感じ、「話さなくても、同じ空間にいて思いをはせられる場をつくりたかった」と振り返る。上行寺船橋別院で、流産や死産を体験した人の分かち合いの場を設けてきた遠山玄秀副住職(47)と出会ったことがきっかけで、初めてマルシェを企画。現在は同じ経験を持つ仲間とともに準備を進めている。

 当日は、大切な人への手紙をつづって投函(とうかん)し、イベント後におたきあげする「天国への手紙」、購入したキャンドルをともして並べる「キャンドルナイト」などを予定。遠山副住職の講話や、骨つぼカバー作りなどのワークショップも行われる。

 子どもを亡くした「天使ママ」「天使パパ」への理解は、まだ十分に進んでいないのが現状だ。遠山副住職は「人は人によって傷つけられるが、人によって救われもする。同じ経験をした人は心強い仲間」と語り、住吉さんも「当事者が身近にいると知ってもらえれば、優しい世の中になるのではないか。(マルシェを通じて)あなたは1人ではないと伝えたい」と強調する。イベントは今後も継続していく方針で、「心が向いたときに足を運んでほしい」と呼びかけている。 

 開催時間は同日正午~午後5時。入場無料。一部プログラムは有料で、事前予約が必要な場合もある。売り上げの一部は「がんの子どもを守る会」に寄付される。問い合わせは「Bee-S」☎047(401)2714。またはメール(shopmaster@bee-s.net)。

(町香菜美)


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