安心して暮らせる街を 身をもって望む「一丸対策」 水害相次ぐ茂原の住民 【災禍に備える 房総半島台風・豪雨5年】

店内の柱に残る浸水跡を指で説明する新沢さん。上が5年前の房総豪雨で、下が昨年9月の豪雨で浸水した高さ=茂原市八千代
店内の柱に残る浸水跡を指で説明する新沢さん。上が5年前の房総豪雨で、下が昨年9月の豪雨で浸水した高さ=茂原市八千代

 千葉県内に甚大な被害をもたらした2019年10月の房総豪雨は、25日で発生から5年を迎える。大規模な水害が起きた一宮川流域では県と市町村などによる対策が進むが、昨年9月には台風13号に伴う観測史上最大の豪雨でまたも流域は浸水した。水害が度重なる茂原市で被害に遭った住民は「安心して暮らせる街にして」と強く願い、流域の市町村による「一丸の対策」を望んでいる。

 県によると、房総豪雨の一宮川流域平均の24時間雨量は257ミリで、浸水戸数は4337棟に上った。昨年9月の豪雨の同雨量は約1・5倍の383ミリだったが、浸水戸数は2053棟(速報値)に半減した。房総豪雨後の一宮川の改修工事など、各種対策の効果があったとされる。

 ただ、被害が増した地域もあった。茂原市大芝の観測地点では、房総豪雨の時に地面から85センチだった浸水の高さが、昨年9月の豪雨では1メートル15センチに増加した。

 大芝地区では、街中の排水能力が追いつかずに浸水する「内水氾濫」が起きた後、一宮川などから水があふれる「外水氾濫」が発生したとみられている。

◆首まで漬かって脱出

 大芝地区の昨年9月の状況を「まさかあんなに水が来るとは」と振り返るのは、催事会場に出向いて食事を出すケータリングなどを手がける「ケータリング&レストラン オット」の代表、君塚博幸さん(58)。

 君塚さんによると、同地区に構えていたキッチンは、房総豪雨では床上まであと数センチのところで水が止まったが、昨年9月は床上45センチほどまで浸水した。

 みるみる上がる水位に119番通報で助けを呼んだが、「何時に行けるか分からない」と言われ、パート従業員とともに脱出を決意。ビニール袋に貴重品や着替えを入れ、発泡ス ・・・

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