防災給電の意識を持つ もしもの時の「トヨタの給電」 【千葉県オールトヨタ】

第45回九都市県防災訓練のブース=いすみ市役所

 環境にやさしく低燃費で、快適な移動手段として話題のハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCEV)。この4つのEV車は電力の供給が可能で、近年相次ぐ自然災害による停電時には、スマートフォンの充電、空調設備や調理器具などの電源として活躍する。千葉県オールトヨタでは災害時の備えとして、給電できる4つのEV車を広めようと活動している。

災害時の給電装置に

 千葉県内のトヨタ自動車ディーラーなど8社で構成する「千葉県オールトヨタ」(千葉トヨタ・千葉トヨペット・トヨタカローラ千葉・ネッツトヨタ千葉・ネッツトヨタ東都・トヨタレンタリース千葉・トヨタレンタリース新千葉・トヨタモビリティパーツ千葉支社による共同体)では、災害に備える取り組みとしてHEV、PHEV、BEV、FCEVを活用した「防災給電」を推奨している。

EV車からの給電デモンストレーション=いすみ市役所

 いすみ市立大原中学校で2024年10月20日に行われた「第45回九都県市合同防災訓練」に合わせ、いすみ市役所では防災フェアが開かれた。千葉県オールトヨタは「防災給電」を紹介するブースを構え、実際にEV車を供給源として家電を動かす体験会を実施した。

 ブースでは、プリウスPHEVとクラウンスポーツPHEVを2台用意。EV車が給電源としてどれくらいの期間利用できるかスタッフが説明。世間では「HEV=プリウス」のイメージが強いことを受け、トヨタが販売しているEV車の幅広いラインナップも案内した。また、当日はブース先着300人にトヨタが作成した防災冊子「家とクルマの防災ブック」を配布した。
 
 近年は地震に加え、豪雨や道路の陥没などでインフラが寸断される事故が多く発生している。EV車はもしもの時の「防災給電」源として、災害現場で幅広いニーズに応えることが可能となっている。

MIRAIの試乗会を開催

試乗会で使用されたFCEV「MIRAI」

 千葉市美浜区の幕張メッセ国際会議場で開かれた県内最大の環境活動見本市「第29回エコメッセちば」で、トヨタのFCEV「MIRAI」の試乗会を用意し、千葉県オールトヨタが目指すカーボンニュートラル社会の姿を体験する場を提供した。

 FCEV「MIRAI」は走行時には水のみを排出。二酸化炭素排出ゼロの究極のエコカーとして販売している。イベントでは「MIRAI」を身近に感じてもらうため、試乗車2台を用意。来場者は販売店スタッフが同乗の下、テストコースで環境に優しい運転感覚を体験した。試乗会の参加者からは静かな走行音を評価する声が複数寄せられ、「社用車に向いている」とのコメントもあった。一方で、燃料となる水素ステーションの少なさを懸念する意見も出ており、燃料の供給場所を増やす取り組みがより一層必要という課題が浮かび上がった。

持続可能な自動車産業の実現へ

 国や自治体ではEV車の充電設備などを普及させようと、関連する補助金制度を設けている。EV車に触れるイベントを通じて環境問題に関心を持った体験者が、EV車の充電設備設置に取り組んでもらえるだけでもクリーンな設備投資となる。持続可能な自動車産業を実現するために、千葉県オールトヨタは個人・企業・団体を問わず4つのEV車を積極的に提案していく。

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被災時に給電車を貸与 県と協定、避難所や施設

協定書を手にする熊谷知事(前列の右から2人目)と千葉県オールトヨタ各社代表=県庁

 災害による大規模停電時に避難所や施設などに電源を供給して被災者を支援しようと、千葉県オールトヨタは2021年6月、千葉県と「災害時における外部給電可能車両等の貸与に関する協定」を締結した。県内市町村が被災した際、外部給電可能なPHEV車やHEV車などを貸し出し、スマートフォンの充電や扇風機、ストーブなどの利用を可能にする。

 協定では、市町村からのPHEV車やHEV車の要請を県が取りまとめ、オールトヨタに連絡。オールトヨタから市町村にPHEV車やHEV車を貸与する。1台の車から家庭用で最大4〜6日分相当の電力が得られる。IH炊飯器や照明用の電源、スマートフォン充電など同時に合計1500ワット以内で使える。

 県内は、2019年の令和元年房総半島台風で鉄塔や電柱、送電線がダメージを受け、最大で約64万件の大規模停電が発生し、復旧まで2週間超を要した地域もあった。住民はテレビやラジオ、スマホが使用できなくなった影響で情報過疎に陥ったり、電気のない不自由な生活を強いられるケースが多発した。

 この過酷な経験を受けて両者は協定を締結。停電時でも避難所や施設に「発電機」を直接届けるのと同じ役割を果たす「外部給電可能な車両」を県内全市町村に貸与できる枠組みを整えた。県内にはオールトヨタの全店舗で、災害時の被災者支援や復興支援へ全面的に協力する。

 県庁で行われた締結式で熊谷俊人知事は「電力を必要とする地域に機動的に電力を届けることは重要」と協定の意義を強調。千葉トヨタ自動車の出野祥平社長は「トヨタ8社で貸し出し可能な台数が増やせた。災害時に役立ててほしい」と地域貢献を約束した。

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あらゆるシーンで電力確保

〇約4〜6日、電気が使える。突然の停電でも、日常を奪われない。
消費電力が400Wなら約4〜6日分の電力供給が可能。
長時間停電が少ない日本では、大きな安心になります。
※車種によって異なります。

〇停電中でも、灯りも食事も情報も。1500W使える。
停電時に、灯りはもちろん、食事・情報を同時に得ることも可能。さらに暑さや寒さもしのげます。
クルマが、家族みんなの停電時の生活を支えます。
※使用する電気製品の注意事項に従ってご使用ください。

〇HEV、PHEV、BEV、FCEVからも給電可能。給電対応車種、増えています。
災害が多発する時代、大切な給電機能。
だからこそ、コンパクト、セダン、SUVなど様々なクルマで、もしもの災害に備えることが可能です。

〇「クルマde給電」で、おうちに接続。停電時でも電気を使える家に。
※クルマde給電はトヨタホーム(株)の商品です
クルマから、おうちに電気を供給できる「クルマde給電」。
新築でもリフォームでも外観を大きく損なわず、
災害時にご自宅での安全が確保できる場合には、ストレスの少ない在宅避難も可能になります。

〇さらに、移動する電源としてアウトドアがもっと楽しくなる。
使い方は、非常時だけにとどまりません。
山・川・海など、あらゆる場所でクルマが電源になるので
レジャーの楽しみ方がグンと広がります。
※AC外部給電システム(ヴィークルパワーコネクター) を利用

(千葉トヨタ・千葉トヨペット・トヨタカローラ千葉・ネッツトヨタ千葉・ネッツトヨタ東都・トヨタレンタリース千葉・トヨタレンタリース新千葉・トヨタモビリティパーツ千葉支社)

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