安心できる医療体制構築 千葉県保険医協会 会長 岡野久氏 【千葉のトップが語る2023】

  • 岡野久会長

  • 公民館での健康講話

  • 歯周病と糖尿病啓発ポスター

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安心できる医療体制構築

 当会は1972年、保険医の生活と権利を守り、国民医療の向上と社会保障制度の拡充を目的に結成しました。県民が「保険証」1枚でより良い医療が受けられること、地域で安心して自分らしく生きられる医療体制の構築を目指しています。

 現在、開業医を中心に医科・歯科の保険医4240人が加入しており、口腔から全身にわたる健康増進に寄与できるように、地域の公民館などでの健康教室や健康相談、医科と歯科が連携して歯周病と糖尿病の管理をする活動等を長年続けてきました。特に生活習慣病予防では、患者を中心に医師と歯科医師が健康状態を一緒に診ることで糖尿病や脳血管疾患などを防ぎます。また、健康寿命を延伸する研究事業も行い、学会等で発表しています。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって多くの方々が感染症の脅威を身近に感じたと思います。わが国には世界に誇る皆保険制度があり、保険証1枚で最新の医療を受けられます。安心して医療を受けられる体制を整えるためには、地域の開業医も安心して医療を提供できる環境になくてはなりません。そこで新型コロナ流行当初、さまざまなルートを駆使してマスクや消毒用アルコールを調達し、医療機関に届けました。地域医療の継続に必要な対応を素早く取れることが当会の強みです。

 現在、医療の現場では「オンライン資格確認の義務化」が問題になっています。ランニングコストやセキュリティ問題のほか、対応機器導入済みの医療機関でも保険者の登録遅れやシステムエラーで資格が確認できない事態が起きています。新型コロナにより医療現場が疲弊する中での義務化強行は地域医療の崩壊を招きます。

 さらに、政府は2024年秋「健康保険証の原則廃止」で、マイナ保険証による受診を促す方針を打ち出しました。これは、事実上マイナンバーカード取得の強制です。カードを持ち歩けば紛失リスクは増します。再発行中に、医療機関に受診した場合、保険証情報の確認方法がないのです。医療現場は従来の健康保険証でなんの支障もありません。この2政策は直ちに撤回すべきです。

 千葉県は2019年の房総半島台風で大きな被害を受けました。翌年には新型コロナウイルス感染症が流行し、さらに物価も高騰し、地域経済、医療現場、県民のいずれも疲弊しています。困難な時だからこそ、患者窓口負担軽減を求め、セーフティーネットとしての社会保障制度をより良くしたいという思いを強くしています。今後も県民の命と健康を守る活動を推進し、安心して生活ができる社会を支えます。

千葉県保険医協会

◇住所 千葉市中央区新千葉2―7―2大宗センタービル4階
◇☎043―248―1617
◇事業概要 医科・歯科の保険医で構成する任意団体。保険医の診療・経営全般をサポートする事業を展開。患者さん向けの「医療なんでも相談」や、医師・歯科医師による「健康講話」なども行っている。

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