食料安定供給へ農業守る JA千葉中央会・連合会 代表理事会長 林茂壽氏 【千葉のトップが語る2022】

代表理事会長 林茂壽氏
代表理事会長 林茂壽氏

食料安定供給へ農業守る

 私どもJAグループは、消費者の信頼に応える安全・安心な国産農畜産物を安定的に供給するため、農業従事者の支援をはじめとした農業振興を最重点課題として取り組んでいます。

 昨年は新型コロナウイルスに振り回されて事業が予定通り進みませんでした。米や園芸、酪農などの業種は飲食店の営業自粛や営業時間短縮などで大きなダメージを受けています。このまま第1次産業が衰退すれば地域経済は崩壊し、減災や豊かな生態系の維持、美しい景色を担うなど多面的機能を持つ農地は失われて国土が荒廃します。

 今後、誰が日本の食を守るのでしょうか。県内の販売農家数は2000年の7万6042戸から20年に3万4261戸まで激減しており、今後も右肩下がりの見込みです。同年の農業従事者は平均62・6歳と高年齢問題も抱えます。同年度の食料自給率はカロリーベースで37%と食品の60%以上が輸入頼り。近年の世界的な気候変動の影響により食料輸出国で不作が発生して食料供給は不安定になっています。アフリカや南米などの発展途上国やアジアの一部を中心に人口が爆発的に増加しているケースもあり、食料需要は大幅に伸びています。世界では10人に1人にあたる約8億人が飢餓で苦しみ、4人に1人が深刻な栄養不足だとされています。スイスでは憲法に食料安全保障を盛り込むなど対策を進めています。

 日本がいつまで食料輸入大国でいられるか、足元は極めて危ういです。世界的な規模で食料の需給バランスが崩れる中、小規模・家族農業を中心とした地域農業を守ることは喫緊の課題です。地方自治体と農家が一体となり、地産地消・国消国産を前提に、いかに食料供給を安定させ、確保していくのかを考える必要があるのではないでしょうか。

 昨年、今後3カ年のJAグループの方向性を決定する﹁第38回JA千葉県大会﹂を開き、「持続可能な農業・地域・事業・経営基盤の実現」を決議しました。そもそもJAの綱領は、国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs」と理念が通じています。消費者の信頼に応え、安全で安心な県産農産物を安定的に供給できるように経営基盤を強化し、さらに不断の自己改革を進め、収益性や健全性を確保できるように努めます。

 未来に希望を持てる農業にするためには、所得の安定とともに中小・家族経営や新規就農者、JAを含めた地域を支える多様な担い手の育成が必要です。18年に設立された農業者のワンストップ相談窓口機能を備えた県農業者総合支援センターをさらに充実させ農業者の所得向上を目指します。

 今年も官民一体となり、引き続き「オール千葉」体制で農業振興に励みます。

◇支部住所 千葉市中央区新千葉3―2―6
◇☎043―245―7300
◇事業概要 地域の農業を守り、消費者の信頼に応え、安全安心な農産物の安定供給により農家組合員の所得増大を支援

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