【千葉魂】盟友と突然の別れ 鈴木、藤岡に語る感謝

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共にお立ち台に上がり、笑顔を見せる鈴木(左)と藤岡貴。鈴木は藤岡に「アイツなしの今の自分は想像できない」と感謝する=2014年5月10日、QVC(現ZOZO)マリン
共にお立ち台に上がり、笑顔を見せる鈴木(左)と藤岡貴。鈴木は藤岡に「アイツなしの今の自分は想像できない」と感謝する=2014年5月10日、QVC(現ZOZO)マリン

 突然のことだった。26日のホークス戦(ヤフオクD)。鈴木大地内野手が球場に向かうチームバスから降りると、携帯電話に無料通話アプリであるLINEのメッセージが入っているのに気がついた。差出人は藤岡貴裕投手。嫌な予感を感じながら読んだ。頭が真っ白になった。

 「おつかれさまです。ファイターズへのトレードが決まりました。最後、会えないままチームを去ることになりましたが、一緒に野球が出来て本当に良かったです。チームは変わりますがこれからもどうぞ宜しくお願いします」

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 同じ年で東洋大学時代からのチームメートだった。2011年のドラフトで一緒にマリーンズに入団した。それから6年半、いつも一緒にいた。かけがえのない仲間だった。プロ野球の世界。トレードは付き物であることは分かっている。それでもやはりショックだった。

 「アイツがいなかったら今の自分はいない。そう思っています。大学でもアイツは1年から試合に出ていた。すごいピッチングでチームを引っ張ってくれて大学を優勝に導いてくれた。一緒にプロに入って、アイツが先に1軍に出て、それを見て刺激を受けた。本当にアイツなしの今の自分は想像できません」

 そう言って悲しい表情を見せた。大学3年時、藤岡は時の人となっていた。リーグ戦で完封勝利を重ね、その名は全国に広がった。4年時にはさらに輝きを増す。日に日に球場に訪れるプロ野球のスカウトの数が増えた。一方でそれはチームメートであった鈴木にとってもプロのスカウトの目に留まるチャンスとなっていた。「アイツがいなかったら今の自分はいない」。鈴木の言葉には実感がこもっていた。ドラフトで同じマリーンズに指名されたときには「ずっと一緒にやろう」と言葉を掛け合ったのを今もハッキリと覚えている。誰よりも共に過ごした思い出があるからこそ、気持ちを整理するのに時間がかかった。だから、連絡がきてから時間がたってもなかなか返事ができなかった。打撃練習を終えてからようやく返信をした。

 「ビックリしたし、寂しいけどこれから対戦できるのが楽しみです。お互いまた頑張ろう。やっぱり同期、同級生は特別」

 14年5月10日に本拠地で2人、お立ち台に上がったことを思い出しながら文面を書いた。いつか一緒にお立ち台に上がれる日を夢見た。それが実現した最高の一日だった。そんな親友と、これからは敵と味方に分かれる。こぼれ落ちそうになる涙を我慢した。

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 チームは変わっても、プロ野球の世界で切磋琢磨(せっさたくま)する日々に変わりはない。マウンドと打席での真剣勝負。今度は今までにはなかった新しい刺激と楽しみが待っている。別の道を歩む2人。寂しさと楽しみと。いろいろな想いを胸に2人はこれからも必死に生きる。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)