【千葉魂】原点戻り、再進撃へ 鈴木の呼び掛けと福浦の言葉

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18日のソフトバンク戦に勝利して3連敗を脱出し、ナインとタッチする鈴木(中央)=ZOZOマリン
18日のソフトバンク戦に勝利して3連敗を脱出し、ナインとタッチする鈴木(中央)=ZOZOマリン

 空気の変化を読み取った。だから鈴木大地内野手は全体練習が始まる前に野手全員に呼び掛けた。連敗で迎えた17日。ZOZOマリンスタジアムで野手だけによる自主ミーティングが行われた。開幕して35試合を消化していた。マリーンズの借金はその時点で5。新生井口マリーンズとして好スタートした新チームはどこか開幕時の勢いを失っていた。

 「みんな疲れているように見えた。気持ちはあっても、うまくいっていない。一回、なにかクッションというか、キッカケが必要だと思った。みんなで意見交換をしようということになった」

 30分以上、行われたミーティングを終えると鈴木は充実した表情で話し出した。活発な意見交換が行われた何よりの証拠だった。若手からベテランまで、それぞれが今、思っている気持ちを率直に語る場とした。最後に野手最年長の大ベテランである福浦和也内野手が口を開いた。ミーティングが開かれる少し前に首脳陣と話し合いを行い、1軍登録を抹消されることが決まっていたが、大ベテランはそのことを表情に出さず、後輩たちに説いた。それは印象的な出来事だった。

 「打つ、打たないとか勝つという結果はもちろんあるけど、まずは原点に戻って楽しく元気にやろう。1軍のこの舞台に立ちたくても立てない選手はたくさんいる。プロの世界に入れない人、野球を続けたくてもそれがかなわなかった選手もたくさんいる。今、こうやって大勢のお客さんの前でプレーできている幸せをかみしめながら、幸せを感じながらプレーをしよう」

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 2千本安打を目前に控えた大ベテランの言葉は重みがあり、説得力もあった。開幕からの疲労の蓄積。その中で結果も伴わないことでどこか当初の活発な雰囲気が沈滞していた。その心の霧をベテランは言葉で振り払った。

 「福浦さんの一言でみんな吹っ切れた感じだった。あの人が言うと重みが違う。みんなの気持ちが一つになった。それぞれ、自分の結果を追い求めて気持ちが揺れがちだけど、その前の大前提として、今いるこの場所の幸せを感じること。その日の一瞬を楽しみながら大事にプレーをすることをもう一度、思い返すことができた」

 自主ミーティングの発起人はうれしそうだった。今年からキャプテンという肩書は外れている鈴木だったが、率先して野手に呼び掛けてこの会合を立ち上げた。それだけに仲間たちの顔色が変わったことがうれしかった。そして思惑通りに試合前の練習、試合中のベンチは再び活気が、あふれ返った。まるで開幕戦を戦っているような重厚な雰囲気がチームを包んでいた。

 「キャプテンを外れていることを忘れて、声を掛けましたね。肩書がなくても昨年までと同じ気持ちでやっている。それに調子が悪い自分だからこそ盛り上げていかないといけないと思う。ここからやり返していかないといけない。本当にいいキッカケになったんじゃないかと思います」

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 鈴木もまた一時の不調を脱し、快音を響かせ始めている。背番号「7」の呼び掛けでマリーンズは再び本来あるべき姿を取り戻した。幸せを胸にグラウンドに全力で飛び出す選手たち。声を張り上げ、ハツラツとプレーを重ねる。前回対戦では3連敗を喫したホークス戦相手に18日からの同カードでは3連勝とやり返してみせた。見事な押し返しだった。投打の歯車がピタリとかみ合う。気魂が再び充実した。井口マリーンズが再進撃を開始した。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)