【千葉魂】千葉ロッテ井上、新スタイルへ 復活に燃える長距離砲

来季は復活を期す井上
来季は復活を期す井上

 悔しい一年となった。井上晴哉内野手のプロ10年目は32試合の出場で1本塁打に終わった。2018年、19年と24本塁打を放ったマリーンズの誇る長距離砲は不本意な成績を残し、静かにシーズンを終えた。

 「悔しいシーズン。来年は強い気持ちで挑みたい」

 ZOZOマリンスタジアムで行われた契約更改後の会見で井上は悲壮な表情で、また一から出直すことを誓った。

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 新しいシーズンは大幅なモデルチェンジをして挑む覚悟だ。シーズン終盤から映像や自身のデータを見直した。そして大きな転換に踏み切る決意を固めた。

 「違うスタイルで挑戦したい。今まで後ろにポイントを置いて打っていたけど、ちょっと窮屈な打撃になっている。前さばきを考えている」と井上。

 これまでのボールを引き付けて打つ打撃から転換。ポイントを前に置いて打ち返す打撃をイメージしている。そして打席の中で力任せに強振していた部分もあったが、二塁打の意識でコンパクトスイングも意識する。

 様々な映像を見て導き出した答えだ。モデルチェンジを行う上で自分に必要な理想の打撃は何か。過去の長距離打者の映像を探し、食い入るように見入った。一人、イメージがピタリとあった打者がいた。山崎武司。イーグルスに在籍した07年、39歳の時に43本塁打を放って本塁打王に輝いた打者だ。その映像が井上の脳裏に焼き付いて離れなかった。まるで体の力を抜いているかのようにスッと打席に立ち、その両腕は力むことなくボールを前で打ち返していた。「これだ」と思った。そこから新たなスタイルに取り組んだ。若手選手中心の教育リーグ(宮崎フェニックスリーグ)にも積極的に参加。「課題と向き合いながらいい期間を過ごせた」と打席での感覚を試した。

 「今年は1軍の試合をテレビで見ることが多かった。チームが勝つのはうれしいけど、テレビで見ているだけなのは正直、悔しい。もう1回、20本塁打以上、打つつもりで挑みたい」と意気込む。

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 2023シーズン、チームの日本人打者で最多本塁打は山口航輝外野手の14本塁打。井上の復活は優勝のために必要不可欠な要素の一つになる。そして現在、プロ通算76本塁打。区切りの数字まであと24としている。まだまだ老け込む年ではない。「もう一度の強い想いを持っている」と井上の鼻息も荒い。これまで実績を重ねたスタイルからモデルチェンジをすることは大きな勇気がいる。しかし井上はもう一度、1軍の舞台でアーチを量産するために果敢に変化をする道を選んだ。3年連続2桁本塁打を記録した長距離砲が復活に賭ける。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)



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