“説明の指導”結実 35歳朝岡監督 就任1年目で栄冠

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 試合終了と同時に選手たちが次々に抱きついてきた。「選手に感謝しかない」。あふれる涙、そして県予選では断って、全国制覇まで取っておいた胴上げ。35歳の朝岡隆蔵監督が聖地・国立で3度、宙を舞った。

 市船橋が初優勝した第73回大会の司令塔。だが、発熱で準決勝と決勝の舞台には立てなかった。「テレビの画面で喜ぶ仲間を見て、後悔ばかりで放心状態だった」。心の中にかかったもや。指導者の道を選ぶ理由の一つになった。

 「イチフナがどうあるべきかはもともと持っている歴史や伝統がある」。イレブンがひたむきに、熱くサッカーに打ち込める環境づくりにこだわった。

 誰もが試合に出たいと思うが、ピッチに全員は立てない。不平不満が出ないように、起用方針を明確に伝えて納得させた。準決勝で出場機会のなかった杉山丈一郎は「タイミングがなくて出せなくてごめんなと言ってくれた」。そのひと言で選手は救われる。

 4年間のコーチを経て、監督就任1年目で頂点へ。イチフナの血が流れているから、感じる重圧や責任も増した。「この1年は疲れました。だから成し遂げられたと思う」。心地よい疲労感に身を委ねた。