エースナンバーの気概示す 東海大望洋・山田

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 七回1死三塁。「習志野の4番なので、振ってくると思った」。1ストライクからの2球目。東海大望洋の山田雄太は思惑とは逆に、スクイズを決められた。執念をみなぎらせるように、自らの前に転がった白球に体ごと突っ込みグラブトス。しかし、捕手への送球は高い。「ほとんど警戒していなかった。仕方ないとしか言いようがない」

 春から二枚看板として刺激し合ってきた武内健吾をリリーフするのはいつものこと。だが、出番は早かった。0-3の三回途中から。「何とか抑えて、点を取ってもらえるように頑張ったが…。あらためて野球の怖さを知った」。失った1点が胸に突き刺さった。

 1試合の先発を含み、5試合20回2/3を投げ2失点。初めて登板した3回戦の八街戦から、疲労で尻から腰に張りがあった。そんな中で背番号1として示した存在感。「武内に取られると思った時もあったが、監督が1番を託してくれたことに感謝している。痛かったが、最後なので思い切り投げた」

 「ピッチャーとして大事なことを教わった。楽しそうじゃない顔をしていたみたいで、楽しく投げろと」。入学当初、浜崎雄作部長から言われた言葉をかみしめてきた。帽子のつばの裏にも「常笑」。キリッとした顔に笑みをたたえてきた。

 だが、涙はこみ上げてくる。「負けた実感がなかったが、みんなが泣いていて最後だと思った」。秋にエースナンバーを譲った久保山隼斗は左翼から胸をたたいて、励ましてくれた。「メンバー全員3年生だった。一つになってきた。みんなともっと野球をやりたかった」