東海大望洋 春王者の風格 主砲豊田 豪快2ラン先制

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 肩口から内角高めに入ってきた89キロのカーブだった。東海大望洋の主砲・豊田航平は、フルカウントからのその一球を豪快に振り抜く。白球はQVCマリンを覆った分厚い曇を切り裂くように、ぐんぐん伸びた。

 0-0の三回1死三塁。3年ぶりの4強進出へ道筋をつける、大きな先制2ランだ。「4番の仕事は打点を挙げること」。春の関東で浦和学院に惜敗し「4番の差」と肩を落とした男が、この日は「最高です」と白い歯を見せた。

 今大会を通じ、豊田は相手投手の“攻め方”の変化を感じていた。これまでは外角一辺倒に攻めてきた相手が、内、内と攻めてくるのだ。

 左打者は前日、父順一さん(46)にそのことを話した。すると父は「相手が研究してきているんだから、自分も研究しないと」。翌朝、「吹っ切れた」と言い残して試合に向かった。これが活躍の合図だったのかもしれない。

 一回の第1打席でも、相手左腕は内角の緩いカーブを立て続けに投じてきた。「インコース多いな」。だから豊田は、「腰のキレを意識した」。そんな心持ちが、あの一打につながったのだろう。