意地の三塁打で一矢 市柏・坂本

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 1-7の七回裏一死一、三塁。1点入ればコールドゲームとなる最後の一打がセンター前へ。「最後まであきらめない」。必死のダイビングキャッチを試みた市柏の坂本大空也のグラブの先に打球がぽとりと落ちた-。

 「優勝が目標だった。悔しくないといったらうそになる」。高校通算55本のスラッガー坂本の夏は“夢”の途中で終わりを告げた。「最初はプレッシャーに勝てなくて、どうしても力が入った」。目標にしていた通算60本塁打も足かせとなり、実力を発揮しきれなくなっていた。

 5回戦の千葉南戦では3安打3打点。序盤戦の不振も3回戦からは「チームのために塁に出るのが自分の仕事」と気持ちを切り替え、頼もしい3番バッターが復活した。

 2点を先行されたが、チームのために好機を待った。「自分が出るから、お前がかえしてくれ」。四回の打席に入る直前、4番・林拓海に声を掛けた。坂本の厚い信頼から出た言葉に、主砲は「まかせろ」と短い言葉で応えた。

 坂本がまん中直球をたたき、右中間を深々と割る三塁打。約束通り、林のタイムリーで坂本は1点目のホームを駆け抜けた。結果として、この得点が木更津総合に一矢報いる唯一の得点となった。

 次なる目標は「いけるならばプロ」と明言したスラッガーの手には、「感謝」と書かれた帽子が握られていた。