海自、米演習で「存立危機」想定 中国念頭、抑止力示す狙い

 岸信夫防衛相は8日の閣議後記者会見で、ハワイ周辺で実施された米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)に参加した海上自衛隊が、安全保障関連法の「存立危機事態」を想定する訓練をしたと明らかにした。リムパックでこの想定で訓練したのは初めてとしている。訓練は7月29日から8月3日にあった。

 存立危機事態は、密接な他国が攻撃され、日本の存立を脅かされる状況だとして認定する。他に適当な手段がないなど「武力行使の3要件」を満たせば、集団的自衛権の行使も可能となる。緊張が続く台湾情勢を踏まえ、中国への抑止力を示す狙いがあるとみられる。


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