被爆体験者、認定拡大を 原水禁の長崎大会開幕

原水禁系の原水爆禁止世界大会長崎大会で、原爆投下時を振り返る山内武さん=7日午後、長崎市

 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系の原水爆禁止世界大会長崎大会が7日、長崎市で始まった。長崎原爆に遭いながら国の指定地域外にいて被爆者と認められていない被爆体験者や支援者が国に対し「被爆体験者は被爆者だとの思いだ」「政治的な解決を図ってほしい」と訴えた。

 被爆者認定を求め係争中の被爆体験者山内武さん(79)=長崎県諫早市=が登壇し、爆心地から約10・2キロの海辺で原爆に遭った時の状況を「ものすごい閃光の後にどーんという音がした」と振り返った。

 当時は内部被ばくを知らず「汚染された井戸の水を飲み、畑の作物を食べた。数日後、脱毛や下痢、発熱に苦しんだ」。訴訟に関し「長崎にも黒い雨は降っている。良識ある判決を願い最後まで頑張りたい」と述べた。

 核兵器廃絶署名を国連に届ける高校生平和大使らも集まり、新型コロナウイルス対策として交流サイト(SNS)などを活用したことを報告。「高校生1万人署名活動実行委員会」メンバーで長崎市の高校3年駒田涼さん(18)は「これからも壁にぶつかることがあると思うが、『微力だけど無力ではない』という言葉を胸に、核廃絶と平和な世界の実現に向け活動を続けたい」と話した。


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