最も遠くの暗黒物質を検出 約120億光年、名古屋大など

「重力レンズ効果」のイメージ。約138億光年先のビッグバン直後の宇宙(右奥)と約120億光年先の銀河周辺(手前)。光が暗黒物質の重力で曲がっている(名古屋大提供)

 約120億光年離れた銀河周辺の暗黒物質(ダークマター)を検出したと名古屋大などのチームが発表した。これまでの検出例の中では最も遠いという。暗黒物質は宇宙のエネルギーの約27%を占め、銀河の形成に必須とされるが、望遠鏡では直接観測できない。名古屋大素粒子宇宙起源研究所の宮武広直准教授(宇宙物理学)は「宇宙構造の進化の解明につながる」としている。

 暗黒物質は、さらに遠くにある銀河が発する光が暗黒物質の重力で曲がる「重力レンズ効果」を用いて検出する。約80億光年がこれまで最も遠い検出例だった。それ以上離れると、観測できる銀河に限りがあり検出が難しかった。


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