建設石綿で初の集団和解 札幌高裁、最高裁統一判断受け

集団訴訟で国と和解が成立し、記者会見に臨む原告ら=5日午後、札幌市内の弁護士会館

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い肺がんなどを発症したとして、北海道の元労働者と遺族らが国に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審は5日、札幌高裁(長谷川恭弘裁判長)で和解が成立した。原告代理人によると、最高裁が5月に国の賠償責任を認める統一判断を示した後、集団訴訟で和解が成立するのは全国初という。

 和解成立後、原告らは札幌市内で記者会見した。2011年の提訴後に肺がんで夫を亡くした清水道代さん(78)は、和解まで約10年かかったことに触れ「大変長い戦いだった。和解はしたが、夫は戻ってこない」と訴えた。


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