引き揚げ者住宅、住人に退去命令 大阪・貝塚、自治会長の男性

自宅を見上げる住人の村崎太さん=2019年4月、大阪府貝塚市

 太平洋戦争後、旧満州などからの引き揚げ者のために建てられた大阪府貝塚市の「引揚者東貝塚住宅」を巡り、府が住人で自治会長の村崎太さん(53)に立ち退きを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は30日、建物の明け渡しを命じた。

 引き揚げ者住宅は戦後、海外植民地などから帰国した人の住宅難を解消するため、全国で約7万9千戸建てられた。東貝塚住宅は1951年に府が約50戸建設した。

 訴状などによると、同年、引き揚げ者だった村崎さんの母節子さんが入居、村崎さんも同住宅で生まれ、暮らしてきた。18年1月に節子さんが亡くなり、府は村崎さんが居住資格を失ったとして立ち退きを求めた。


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