房総通リズム春の観光特集2024

長男「近くにいてあげれば」 父の死に自責の念抱え過ごした1年 命日に「ひと区切り」 長柄町【台風豪雨1年】

 千葉県内で甚大な被害が出た昨年10月の房総豪雨は25日、発生から1年が経過した。市原市の岩瀬広光さん(57)は長柄町に住んでいた父、長寿さん=当時(88)=を亡くした。定年退職したら父親と一緒に長柄で暮らそうと考えていた岩瀬さんは「自分が近くにいてあげれば、父が死ぬことはなかったかもしれない」と自責の念を抱えながら、この1年を過ごしてきた。

(報道部・小野洋)

 一宮川と支流が氾濫した長生地域では、広範囲で浸水被害が発生した茂原市と長柄町、長南町で計7人(災害関連死含む)が犠牲になった。

 岩瀬さんによると、長寿さんは長柄町立鳥地区の町営住宅「日吉団地」で1人暮らしをしていた。昨年10月25日、長寿さんは避難するため町内の高台に住む次男(55)の家に車で向かったという。長柄では各地で土砂崩れも発生。普段通っている次男宅までの道は土砂で通行できず、迂回(うかい)して一宮川沿いの道路を走行中、車が水没して亡くなったとみられる。

 市原の自宅にいた ・・・

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