コウノトリ絶滅前に魚摂取低下か 野生復帰後は昆虫類に偏る

 国の特別天然記念物コウノトリの羽毛から食性を分析した兵庫県立大(神戸市)の研究チームは、1950年代まで摂取量が豊富だった魚類の割合が60年代に低下したとの推定結果を21日までにまとめた。コウノトリは国内で71年に絶滅。野生復帰後の2000年代は昆虫類に偏っていたことも分かった。食性の変化は絶滅の原因の一つと考えられている。

 魚類と比べると昆虫類はカロリーを十分に取ることが難しく、チームは「魚類が生息する環境の整備を進める必要がある」と指摘する。

 コウノトリは05年に兵庫県豊岡市で人工飼育による放鳥が始まり、繁殖して現在は全国で225羽が確認されている。


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