「原爆の図」画家の未発表作発見 戦中のふすま絵、富山に

画家丸木位里が富山市の聞名寺に描いたふすま絵に記された「位里」の署名

 被爆直後の広島を描いた「原爆の図」を共作し、惨状を国内外に伝えた水墨画家丸木位里(1901〜95年)と、洋画家の俊(12〜2000年)夫妻が残した未発表のふすま絵やスケッチが、今年1月、富山市内の寺で見つかった。1942年の作で、あまり知られていない戦中の2人の動向を伝える貴重な資料となりそうだ。

 広島、愛知、富山を巡る回顧展に伴う調査で発見。寺内の庫裏のふすま4面にわたって、のびのびと描かれた松竹梅は、位里が生涯好んだ題材で、余白やにじみを生かした大胆な筆遣いが目を引く。位里と俊がそれぞれ寺の家族や風景を軽やかに切り取った水墨のスケッチ16点も残る。


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