ゴンドラの唄作詞者、幻の原稿 戦意高揚の歌集、終戦で刊行中止

未発表歌集「神杉」の直筆原稿

 いのち短し恋せよ少女―。「ゴンドラの唄」の作詞で知られる歌人吉井勇(1886〜1960年)が太平洋戦争末期にまとめ、終戦時に破棄したとされていた未発表歌集「神杉」の直筆原稿が、京都府立京都学・歴彩館(京都市左京区)で見つかったことが26日、分かった。

 神杉は、戦意高揚を目的に出版社「八雲書店」が企画した「決戦歌集」シリーズの一つ。戦争末期、吉井や佐佐木信綱ら10人程度が歌集作成を依頼されたが、終戦で刊行中止に。今まで斎藤茂吉の歌集「万軍」しか存在が確認されていなかった。戦後、ほぼ同じ人選で吉井の「金泥」を含む「新日本歌集」シリーズが出版された。


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