昭和天皇、戦争を悔い退位に言及 改憲再軍備も主張、長官の拝謁記

田島道治初代宮内庁長官が記した1949年12月19日の「拝謁記」の一部。上から4〜5行目には「イロイロノ情勢ガ許セバ退位トカ譲位トカイフコトモ考ヘラルル」と記している

 昭和天皇が戦後、戦争への後悔や退位の可能性に繰り返し言及していたことが、19日公開された初代宮内庁長官の故田島道治による昭和天皇との詳細なやりとりを記した資料から明らかになった。戦前の軍隊を否定しつつ改憲による再軍備の必要性にも触れた政治的発言を、田島がいさめた様子が残されていた。資料は手帳やノート計18冊。田島は「拝謁記」と題していた。

 拝謁記には、軍部が暴走した張作霖爆殺事件(1928年)や、青年将校による二・二六事件(36年)、太平洋戦争などに関する昭和天皇の回想が登場する。


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