「クジャクの羽」で多彩な発色 京大開発、インキなし描画技術

ポリマーに光を照射して作製された、指先より小さなサイズの名画(iCeMS提供)

 人工的にさまざまな発色をできるようにして、インキを使わずに高画質の絵柄などを描ける技術を開発したと、京都大物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)のチームが19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 クジャクの羽や熱帯魚が光の反射で鮮やかな色彩を放つのと同じ仕組みを持つ技術で、インキを使用しないため環境に優しく、退色しないのが特長だ。

 チームは、小さな分子が多数結合してできているポリマーが、圧力を受けて構造が変化すると、特定の色を反射して発色することに注目。ポリマーに光を照射して人工的に構造を変化させた上で溶剤で固め、多彩な可視光を発色できるようにした。


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