岸信介首相、改憲へ二段構想 安保や沖縄返還問題の解決後実現

岸信介元首相

 岸信介首相が就任後初の1957年6月の第1次訪米を前に、当時の日米安全保障条約を改定し、米統治下の沖縄や小笠原諸島の返還へ道筋を付けるという懸案を2年以内に解決した後、憲法を改正する二段構えの構想を描いていたことが19日公開の外交文書で明らかになった。この構想や、対米関係強化へ決意を記した極秘文書を作成。訪米への調整のため予備会談を重ねていたマッカーサー駐日米大使に概要を伝えていた。改憲に執念を燃やした岸氏の戦略の一端が浮かび上がった。

 岸氏は国内で「対米従属的」との不満があった安保条約や、米国の南方諸島統治を問題視していた。


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