革新機構、取締役の総退陣を発表 田中社長「目標達成は困難」

記者会見する産業革新投資機構の田中正明社長=10日午後、東京・丸の内

 官民ファンド、産業革新投資機構の田中正明社長(65)は10日、東京都内で記者会見し、自身や坂根正弘取締役会議長(77)=コマツ相談役=ら民間出身の取締役計9人全員が残務処理後に辞任すると正式に発表した。高額な報酬水準を巡って経済産業省との対立が深まり、総退陣する異例の事態となった。

 田中氏は会見で謝罪した上で「(報酬などを巡り)経産省からの提示が次々と変更された。こうした信頼関係の毀損行為が辞任の理由だ」「法治国家でない」と批判。「共感していた目的を達成することが実務的に困難になった」と語った。

 機構の資金規模は2兆円で官民ファンドとしては国内最大。


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