阪大、iPSで小腸上皮細胞作製 薬剤開発に活用も

iPS細胞から作製された小腸の働きを持つ腸管上皮細胞(大阪大提供)

 小腸の働きを持つ腸管上皮細胞を、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製することに成功したと、大阪大の水口裕之教授(分子生物学)らのチームが21日付の米科学誌電子版に発表した。小腸では、服用した薬剤が吸収、代謝されるため、薬剤開発へ向けた試験に活用できる可能性があるとしている。

 チームは、マウスの小腸が形成される過程を参考に、小腸の腸管上皮細胞への分化を促す増殖因子や化合物の組み合わせを考案。人のiPS細胞から、腸管前駆細胞などを作製した後、小腸の働きを持つ腸管上皮細胞を作ることに成功した。作製効率は90%以上という。


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