津波試算「08年に知った」 東電原発公判で武藤元副社長

東京電力旧経営陣3人の第30回公判が行われた東京地裁の法廷=16日午前

 福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の第30回公判が16日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。武藤栄元副社長(68)が被告人質問で、国の地震予測「長期評価」を基にした津波の試算結果を「2008年6月の社内会議で初めて説明を受けた。それ以前は長期評価のことは知らなかった」と述べた。

 冒頭では「亡くなられた方々と遺族、ふるさとを追われた方々に深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 公判は昨年6月に始まり、被告人質問は初めて。争点は大津波を予測して、対策を取ることができたかどうか。武藤元副社長は初公判で無罪を主張した。


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