津波犠牲遺族、命最優先の社会を 長男の母校で講演

津波で亡くなった長男健太さんの母校・専修大で講演する田村孝行さん、弘美さん夫妻。スクリーンには卒業式の姿が映し出された=16日、東京都千代田区

 東日本大震災の津波で七十七銀行女川支店(宮城県女川町)の行員だった長男の田村健太さん=当時(25)=を亡くした孝行さん(57)と妻弘美さん(55)夫妻が16日、健太さんの母校、専修大(東京)で講演し「明日はわが身と思い、人命最優先の安全な社会をつくるためにどうすればいいか一緒に考えてほしい」と訴えた。

 健太さんは震災時、支店長の指示で屋上に避難し、津波にのまれ死亡した。孝行さんと弘美さんは語り部活動を通し、企業防災の意識向上などを訴え続けている。

 孝行さんは「いつか健太に、あなたの命は安全な社会に向け役目を果たしたよと言えるよう活動を続けたい」と語った。


  • LINEで送る