作家の石牟礼さんの思い出語る 原作の新作能巡りシンポ

追悼シンポジウムで石牟礼道子さんの作品について語る渡辺京二さん(中央)=14日午後、熊本市

 水俣病を題材にした著作で知られ、2月に90歳で亡くなった作家石牟礼道子さん原作の新作能「沖宮」を巡り、熊本市で14日、追悼シンポジウムが開かれた。生前にゆかりのあった人たちが登壇し、石牟礼さんとの思い出や、遺作となった作品を語り合った。

 沖宮は、石牟礼さんが育った熊本県天草地域を舞台に、干ばつに苦しむ村人たちが、いけにえとして少女を竜神へささげる物語。

 石牟礼さんは今回の作品で、友人で人間国宝の染織家志村ふくみさん(93)に衣装の監修を依頼。台本の構想時「志村さんの仕事で装束を仕上げるのは、長年の念願でした」と手紙を出していたという。


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