美術家、宮崎進さんが死去 シベリア体験に基づき表現

死去した宮崎進さん

 シベリア抑留の過酷な体験を映した作品で知られた美術家で、多摩美術大名誉教授の宮崎進(みやざき・しん、本名進=すすむ)さんが16日午後11時ごろ、心不全のため神奈川県内の病院で死去した。96歳。山口県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男泰(たい)氏。後日お別れの会を開く予定。

 日本美術学校で油絵を学び、1942年に召集された。敗戦後、シベリア抑留を経て49年に帰国。67年に「見世物芸人」で安井賞を得た。シベリア体験に基づく表現を、長い模索を経て90年代から本格的に発表。抑留中に使用を許されていた麻布などで生々しい質感の作品を生んだ。


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