雪舟の水墨画を84年ぶりに発見 山口県立美術館 

雪舟が描いた水墨画「倣夏珪山水図」。80年余り所在が不明になっていた=19日、東京都港区

 室町時代の水墨画家、雪舟が描き、所在不明になっていた水墨画が84年ぶりに見つかったと、山口県立美術館が19日、東京都内で発表した。同館は10月31日から開く「雪舟発見!展」で公開する。専門家は、雪舟の代表作への道筋を示す重要な作品と位置付けている。

 見つかったのは、軸装された約30センチ四方の団扇形の作品で、藍や緑などで彩色を施した「倣夏珪山水図」。水辺に岩や木々が、奥には、なだらかな山脈が描かれている。

 同美術館によると、雪舟が中国の名画家に倣って描いた「倣古図シリーズ」のうちの1点で、南宋(12~13世紀)の著名な画家夏珪の様式を模した。


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