「ヒ素ミルク」森永を提訴、大阪 新たな症状、救済不十分

大阪地裁へ提訴し記者会見する、森永ヒ素ミルク事件での被害者=25日午後、大阪市

 1955年に発生し、1万3千人超が被害を受けた「戦後最大の食品中毒」とされる森永ヒ素ミルク事件で、脳性まひになった大阪市の女性(68)は25日、40歳ごろから首や手足の痛みなどの新たな症状が現れ、悪化し続けているとして、森永乳業(東京)に計5500万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。提訴の動きが広がれば救済の拡大につながる可能性もある。

 女性側は、症状が今も固定していないため損害が確定していないとして、不法行為から20年間で賠償請求権が消滅すると定める民法の「除斥期間」や時効は「成立していない」と主張している。


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