「少しでも想像を」訴える 泣き寝入りしない社会に

控訴審判決を受け、記者会見する伊藤詩織さん(中央)=25日午後、東京都千代田区

 「これが自分の近い人に起きたらと、少しでも想像してほしい」。実名で性被害を訴えたジャーナリスト伊藤詩織さん(32)は25日の東京高裁判決後、声を詰まらせながら訴えた。真っ向から反論した元TBS記者山口敬之さん(55)と4カ月ぶりに法廷で対峙したが、視線は合わせぬまま。提訴から4年4カ月の闘いを「20代後半からずっと裁判と向き合う日々だった」と振り返った。

 伊藤さんは裁判で、性被害者が泣き寝入りしない社会にしたいと繰り返し主張。判決後、東京都内での会見で実名公表には「後悔はない」とし、「裁判に負けたら日本に住めなくなるという恐怖と隣り合わせだった」とした。


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