散逸の陶片、1世紀ぶり再会 シカゴ万博入賞作品

信楽窯業技術試験場に収蔵されていた陶片(左)と苗木遠山史料館に収蔵されていた陶片2個(滋賀県立陶芸の森提供)

 信楽窯業技術試験場(滋賀県甲賀市)は14日、所蔵している陶片が1893年のシカゴ万国博覧会に出品され、入賞した作品の一部であることが分かったと発表した。岐阜県中津川市で保管されてきた同じ作品の陶片とともに滋賀県立陶芸の森(甲賀市)で展示。万博展示終了後に破片は散逸しており、1世紀ぶりに「再会」した。展示は6月6日まで。

 同試験場によると、日光東照宮の国宝「陽明門」を25分の1のサイズで再現した陶製模型の一部で、中津川市出身の陶工成瀬誠志(1923年没)が1887年から約3年かけて制作。完成後、シカゴ万博への出品が決定したが船での輸送中に作品が破損した。


  • LINEで送る