210人犠牲の集落、慰霊塔除幕 岩手、消防団員の活動伝える鐘も

犠牲となった消防団員の越田冨士夫さんを思い、鐘を鳴らす兄聖一さん=2月28日午前、岩手県大槌町

 東日本大震災の津波で、活動中の消防団員が亡くなった岩手県大槌町安渡地区で28日、地区全体の犠牲者を弔う慰霊塔の除幕式が行われた。集落では210人以上が犠牲に。鐘を打ち鳴らして住民避難を促し続けた消防団員の活動を後世に伝承するため、鐘のモニュメントも併設された。

 慰霊塔は、これまでプレハブ仮設住宅があった、海が見える高台に整備。隣同士の安渡、赤浜両地区を守る大槌町消防団第二分団では、団員計11人が命を落とした。

 団員越田冨士夫さん=当時(57)=の兄聖一さん(69)が鐘を鳴らすと、青空に「カーン、カーン」と澄んだ音が響き渡った。


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