有本恵子さん、61回目の誕生日 家族「生活できているのか…」

 北朝鮮による拉致被害者で元神戸外大生の有本恵子さん=失踪当時(23)=は12日、61回目の誕生日を迎えた。父明弘さん(92)らが神戸市の自宅で取材に応じた。

 姉の尚子さん(62)は「北朝鮮は日本より寒くて食べ物は不足し、新型コロナウイルスも流行していると聞いたので、生活できているのか心配だ」と妹を気遣った。

 明弘さんは、拉致問題解決に意欲を示していた安倍晋三前首相とトランプ大統領の日米両首脳の交代がこの1年で決定し、失望感をあらわにした。「両首脳の退陣で、拉致の解決は遠のいた。自分が生きている間では最後のチャンスだと思っていた」と悔しさをにじませた。


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