南方熊楠、空腹を「都々逸」に 和歌山の記念館で展示

 博物学や民俗学の独創的な研究で知られる南方熊楠(1867〜1941年)が、渡航先の英国で空腹に耐えながらの生活を口語詩「都々逸」に残していた。和歌山県白浜町の南方熊楠記念館で開催中の特別展で展示されている。

 都々逸は、江戸時代に流行した「七・七・七・五」の26字で歌う俗曲。熊楠は植物標本の挟み紙に墨筆で「南熊貧困中… 作之記」と書いた上で「どど一ところか(都々逸どころか)けふこのごろは(今日この頃は)くふやくはずに(食うや食わずに)くろふする(苦労する) ハコリャコリャー」と記していた。特別展は12月9日まで(木曜休館)。


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