海水高温で「褐虫藻」共生力低下 白化サンゴ回復しづらく

通常の飼育温度の25度で育てた褐虫藻(触手内の赤い点)はイソギンチャクに多く取り込まれ(左)、白化が起こりやすい32度で育てた褐虫藻は共生能力が低下した(右)(基礎生物学研究所提供)

 海水が高温になると、サンゴ体内にいる藻類「褐虫藻」の共生能力が低下することが分かったと基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などのチームが突き止め、国際専門誌に発表した。褐虫藻がいなくなったサンゴは「白化現象」を起こし、回復は難しいとされるが、褐虫藻の共生能力を高められれば救える可能性がある。

 サンゴは細胞内に共生する褐虫藻が作る栄養を主なエネルギー源にしている。白化は海水温の上昇によって起こるとされ、地球温暖化に伴い世界中のサンゴ礁で白化が進んでいる。白化後しばらくは生きていけるが、褐虫藻がサンゴの中に戻らなければ餓死する。回復するのはごく一部という。


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