太宰、充実の新婚生活記す 山梨で未発表書簡公開へ

山梨県立文学館が新たに公開する「太宰治 高田英之助宛書簡」の一部

 山梨県立文学館は15日、作家の太宰治の未発表書簡を18日から公開すると発表した。1939年1月に記したと推定され、友人に「結婚は、からだに悪いといふのはどうも嘘のやうです」と新婚生活の充実ぶりを伝えている。

 文学館によると、太宰は38年9月から山梨県に滞在し、39年1月に結婚した。書簡は石原美知子との結婚を手助けした友人の高田英之助に宛てた巻紙1枚で、病気療養のため妻と別居生活を送る高田を励ます目的で書かれた。

 文学館の保坂学芸課長は「『冨嶽百景』など太宰が良い作品を多く残した時期で、心身共に充実した甲府での結婚生活を裏付ける貴重な資料」と話している。


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