作家遠藤周作さん未発表作発見 死去後初、長崎で7月公開

「影に対して」の秘書による清書原稿(長崎市遠藤周作文学館)

 長崎市は26日、作家遠藤周作さん(1923〜96年)の未発表小説の草稿と清書原稿が長崎市遠藤周作文学館で見つかり、7月1日から初公開すると発表した。同館によると、遠藤さんの死去後、完結した状態の未発表小説が見つかったのは初めてという。

 小説のタイトルは「影に対して」。原稿用紙の裏につづられた自筆の草稿2枚と、当時の秘書が原稿用紙に記した清書104枚が見つかった。本人による推敲や加筆の跡も残る。用紙の種類から、遠藤さんが東京都町田市に転居した63年3月以降の作品とみられる。

 かつて小説家を目指し、今では探偵小説の翻訳で生計を立てる男・勝呂が主人公。


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